「種まき爺さん種まきゃカラスがほじくる」
2015年 5月 20日
5月に入ると諏訪地域でも田植えや種まきといった農作業の時期を迎えています。
農家にとってはとても大切な時期でもあり、また大変な時期でもあるのでしょうが…
きっと、週末に駆り出されている皆さんもいるのでは…
その農作業の時期の目安に「雪形」というものがあることはご存でしょうか?
「雪形」とは、春に雪が融けて山肌に形がつくられたもので、
昔の人は山にあらわれるこの雪形を目安に、田植えや種まきをする時期を判断する
農業暦としていたとのこと。
ちなみに全国には300以上の雪形があり、長野県には全国2番目に多い57もあるようです。
北アルプスにはいくつもの雪形があるが、有名なものとしては、白馬岳の代掻き馬の雪形。
白馬岳の中腹に4月下旬から5月下旬にあらわれる雪形で、
代掻きとは田植え前に田の土と水をかき混ぜて、田植えの準備をすることで、
この代掻き馬の雪形はその時期を教えてくれるものとして、地元の人々に親しまれているとか。
また、爺ヶ岳の種まき爺さんの雪形はとてもユーモラス。
初めに種をまく爺さんの雪形があらわれる。しばらくするとその爺さんの足元に黒い影があらわれ、
これが爺さんのまいた種をほじくるカラスの雪形で、
そこに今度は婆さんがあらわれてカラスを追い払うというストーリーになっている。
「権兵衛種蒔きゃカラスがほじくる」のことわざに通じる。
こうして毎年繰り返される自然現象を見られるのも、この季節ならではのものです。
夜空の星座を愉しむように、残雪の山肌の雪形を眺めてみては。
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